茶道の稽古とは
亭主の稽古
茶道では、茶会や茶事を開催する人を「亭主」と呼びます。亭主は、
好きなテーマや季節に合った茶会を催し、お客様をもてなします。
会の目的は、和やかな時間を共有しながら、御抹茶を美味しく頂いて
もらうこと。そのためには、心のこもったおもてなしができなくては、
なりません。まずは、メインである御抹茶の点て方「点前(てまえ)」
を習得します。裏千家では、基本のもの、季節を楽しむもの、グループで稽古するもの、古くから伝わる厳格なものなど、様々なお点前が数十種類以上あります。それらのお点前をひとつひとつ習得する過程で、精神統一を体現し、おもてなしの極意を身に付けてまいります。
客の稽古
茶道では、お茶会を開催する亭主になったり、また、客として招かれたりしますので、客の所作も身に付けることが必要になります。こんなに堅苦しい作法で
お茶を飲まなくても、と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、客の作法は
堅苦しくすることが目的なのではありません。心のこもったおもてなしを受けた時、そのおもてなしへの感謝の気持ちを表現することが趣旨なのです。
相手の気持ちを思いやったり、感謝の気持ちを表したり、円滑な人との交流を
可能にするための極意を学びます。
茶道具の鑑賞
茶事や茶会では、御抹茶を楽しむ他に、茶道具も鑑賞いたします。単に
様々な伝統工芸の知識を得るだけではなく、個々の持つ美しさ、味わいなど
を見出す審美眼も養うことができます。
お稽古を通して得られるもの
様々な所作のお稽古を通して、精神統一し心を穏やかにすることを体感し、
品格のある行儀作法を身に付け、また、美しいものを見出す能力を培うことが
可能になります。また、茶道は歴史、建築、伝統工芸、花、和歌、着物、料理など、様々な文化で構成されていますので、広い分野において教養を身に付けることができます。
年齢制限がない茶道
茶道をたしなんでいる方は、学生の方からご高齢の方まで幅広い年齢の
方がいらっしゃいます。茶道はいくつからでも始められますし、また、いくつに
なっても楽しめる伝統文化のひとつです。また、いくつになられても、茶道を
楽しんでいる方は、若々しく健康でいらっしゃいます。それは、ほどよく体を動かし、脳を活発に使い、そして、仲間と楽しく美味しいお茶やお菓子を
頂き、充実した安らげる時間を過ごしているからだと思います。尚、正座が苦手な方でも、正座椅子や座布団を使用して頂けますので、無理なくお稽古を
続けて頂くことができます。