top of page

茶禅一味

茶禅一味とは、茶道は禅から始まったものであるから、追求するところは禅と同一であるべきである、という意味です。禅とは自然の真理を悟り、あるがままに全てを受け入れ、直心となり本来の自己を見出すこと。
茶道は、その直心の交わりであると、「禅と茶」の著者、西部文浄和尚は著しています。日本の文化に触れながら、禅の精神を感じ、いにしえを想いながら、美味しいお茶を飲んでほっとする。そんなひとときをご一緒に体験しませんか。

講師: 羽根石 宗佳(はねいし そうか)

【茶道は総合芸術】
茶道とは、基本的にお客様を招き、美味しいお茶を点ててもてなすことでありますが、会の主催者(亭主)と、招かれた客の心が一体となり、共に気持ちの良い有意義な時間を過ごす「一座建立」を目指すことでもあります。また、露地、花、料理など自然や季節の移り変わりを感じながら、茶碗などの茶道具や床の間の掛軸など、個々の美術品を賞玩する総合芸術でもあります。普段の稽古は、季節を感じる趣向で、様々な道具で行う点前の所作を勉強いたしますが、実際にお菓子や、美味しいお茶もいただきます。また、あらゆる茶道具を実際に使い、亭主とお客の立場で一連の所作を行いますので、お稽古でも、一期一会の空間として、癒される時間を過ごしていただけます。何百年という時間をかけ、日本独特の伝統文化に発展した日本の茶道。戦国時代の武将たちもたしなんでおりました。歴史のロマンを感じながら、是非一緒に茶道を楽しみましょう。




 

クルーズ船内レクチャーとデモンストレーション

船内パンフレット

1.JPG
2.JPG

CNN ウイニングポストの取材

フランス雑誌掲載

フランス雑誌の体験取材

1.JPG

ノーベル賞受賞者タゴーレのドキュメンタリー

映像監督、史航さんの番組で茶道の体験取材

中国ネット番組へのリンク

■プロフィール
アメリカ在住経験15年。ハリウッドにて映画制作を学んだ後
、撮影プロダクション・マネージャー、プロデューサーとして様々なTV番組、コマーシャル、ドキュメンタリーの映像制作プロジェクトに携わる。また、同じ時期に茶道を始め、

ロサンゼルス在住の裏千家名誉師範である松本宗静氏に師事。

帰国後は、某テレビ局ホールディングスの会社にて海外事業を担当。セサミストリート・ジャパン、チェブラーシカなど、海外事業の立ち上げプロジェクトに携わる。海外事業に携わること30年以上。取引をした国は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど10か国以上。

一方、並行して茶道も続け、茶名を取得した後、2011年より茶道教室を始める。

さらに、海外滞在経験を活かし、海外の方に茶道を紹介する"The Way of Tea" プロジェクトを発足し、外国人のお客様をもてなす活動も開始

外国クルーズ船内で、茶道についてのレクチャーとデモを英語で行ったり、

東京国立博物館の茶室にて、海外からの撮影ツアーの参加者のために、本格的茶会の撮影会を開催。

2017年6月、浅草の古い家を改修し茶室を設け、茶道教室を移す。新しい教室では、一般の茶道稽古の他、初心者のためのお試しコース、英語で茶道を学ぶコースなど多種多様なクラスの他、外国人観光客が茶道を体験できる、茶道ワークショップを運営している。

■裏千家准教授。茶道歴26年。

 


【私の師匠、松本宗静先生を目指して】
私の師匠、松本宗静先生は103歳で逝去されるまで、ロサンゼルスで茶道の指導を続けておられました。

裏千家14代御家元淡々斎に師事した後渡米し、アメリカロサンゼルスを拠点に、大変なご苦労をされながら茶道の良さをアメリカに広めた方です。

そんな尽力もあり、「Japanese War Bride」(1952年)という映画の茶道のシーンを指導する立場から、出演することにもなり、ハリウッド映画で初めて本物の茶道を紹介された方です。その後、チャーリー・チャップリンやチャールズ・イームズ夫妻、女優山口淑子さんと、イームズ氏の家で茶会も開いています。

松本先生は、1941年にアメリカで茶道教室を開校して以来、3000人以上の人々に茶道を教え、うち300人以上のお弟子さん達は師となり、茶道を継承し続けています。

また、松本宗静先生は、数々の栄誉ある称号を受けています。茶道における最高位の称号である名誉師範号を、茶道流派の裏千家より授与され、1990年11月には長年に渡る日本文化継承への功労に対して、勲五等の瑞宝双光章が日本天皇より授与されました。また、1994年には米国立芸術基金の選定するNational Heritage Fellowship(日本の人間国宝に相当)にも選ばれました。この名誉は、伝統文化を継承・構築し、人々と分かち合う努力を続けてきた、アメリカ国内の最も優れた芸術家に与えられています。

私にとっては、雲の上の存在の方ですが、ご縁あってご指導して頂けたことは本当に感謝しております。

また、そのお陰で私も茶道が好きになり、小さな規模ではありますが、茶道を紹介できるまでになりました。本当に松本先生、及び、日本で助けて頂きました、松本先生のお弟子さんでいらした、諸先輩方々のお陰であります。

私自身、ストレスの多い仕事に携わってまいりましたが、茶道に大変助けられて、今まで生きて来られたと言っても過言ではありません。どんな忙しい時、精神的にまいっている時でも、時間を作って茶道のお稽古をすると、すっかり気分が良くなってしまうのです。

茶道の概念は、禅から生まれたといいます。それは、考え方や目指しているものが同じなのです。活動の内容は違っていても、そこに精神的なやすらぎを感じられる環境があるということは間違いありません。さらに言うと、そういう感情を、自ら引き出していく力を養えるのが、禅や茶道です。

師匠には到底及ばないと思いますが、教えて頂いたことに報いるためにも、アメリカ長期滞在や海外事業経験を活かして、私なりに工夫をしながら、是非、多くの方に茶道の良さを伝えたいと考えております。

 

【実生活が変わる】

茶道は、日常生活からかけ離れた非日常のものだとお考えの方が多いと思います。私もはじめたころはそうでした。

 

茶道を始めたきっかけは、アメリカ在住の時でした。映像制作の仕事に携わり、それなりに充実もしていましたが、とにかく毎日時間に追われる日々を繰り返し、ストレスも多い仕事でした。心身共に限界になっていたころ、ふと何か普段と違うことをしたいと考えたのです。そこで思いついたのが茶道でした。全く茶道の知識はありませんでしたが、何やら謎めいていて、神秘的に思えたのです。また、海外にいながら、日本のことを良く知らない自分が日本人として恥ずかしいと思っていたので、総合文化である茶道から、日本の伝統文化を勉強したいとも思ったのです。

 

習いたての頃、お茶を飲むだけなのに何故こんな細かいルールがあるのだろう、と驚きました。でも、後に、実はそれらのルールは、合理的に、美味しく、かつ美しい所作でお茶を点てるために先人が研究し、確立したものだということがわかり、とても自然に理解することができました。ただ、手続きを完全に覚えるのは、少々時間はかかります。でも、実は、この覚えようと集中するプロセスがとても大切で、また、それを繰り返し行うことで、「身に付き」そして、「無心」になれるのです。茶道を始めて、しばらく経ち、ふと気づくとどんなに疲れている時でも、また、精神的に落ち込んでいる時でも、とにかく稽古をすると、心身ともにすっきりすることがわかりました。それは、適度な緊張感の中、物事に集中し、無心になることが、心身の疲れをリセットしてくれていたのです。日常生活から離れ、非日常の空間を味わう。それがいいのだと思っていました。ところが、しばらくすると、実は茶道の時間が本来人間に必要な日常で、普段、あくせくしている日々が非日常なのでは、と思うようになりました。

 

一椀のお茶を師と仲間たちと楽しみ、季節を愛で、花や手作りの道具などを鑑賞し、500年以上も昔から継承されている茶道に歴史のロマンを感じながら、ゆっくりと過ぎる時間を楽しむ。シンプルな時間ですが、そこから学び、得るものはとっても大きいのです。自然との共存の大切さ、おもてなしの極意、幅広い文化の知識、そして、お互いに和を大切にしながら接する。それは、感性や、洞察力、インスピレーションなど自分自身の能力をも高めてくれます。そして、それは実社会の生活でもおおいに活かすことができるのです。私の生徒たちも、茶道を始めてから、自身が変わり、仕事の仕方、人との接し方が大きく変わったと言っています。

 

茶道は禅の思想から生まれました。禅の目的は、直心になり悟りを開くこと。でも、そのための修行は特別なことをするのではなく、掃除、料理、座禅など日常生活全てが修行だと考えます。日常のささいなことから重要なこと、美しいものなどを見出し、あるがままの環境を受け入れ、様々なご縁によって自分が生かされていることに感謝する。茶道は、そういったことを茶室の中で体現するのです。これまで気づかないようなささいなことでも、美しいと思い、感謝し、そして、喜びを感じる。そういう自分になれるのです。やがて、それが自身の能力となり、普段の生活も充実感を持って送ることができるようになるです。

                                                                                                       羽根石宗佳


























 

 

 

 

 

 

bottom of page